以前、「ぼさく」で紹介した「アイヌ・エコシステムの考古学」の著者で旭川市博物科学館の副館長でもある瀬川拓郎さんに、ICANOF制作の拙写真集をお送りしたところ、氏のサイト「北の考古学」で紹介いただいた。

「写真にはアイヌ語地名をもつ場所の風景、つまり建物や工作物、道路、木といったものが写し取られていますが、それらは実は被写体なのではなく、たまたまそこにあるものであり、まなざし自体はもはや失われてしまった場所の記憶に注がれています。そのため写真は、ありふれた構図の美しさやバランス、中心性といったものとはまったく無縁に成立しています。そこから浮かび上がってくるのは喪失感、そして改変され尽くした植民地北海道の景観の空虚さです。」(北の考古学より)
我が身にあまるご感想をありがとうございます。

札幌市と石狩川下流域を対象とした私の次回作「イシカリへ(仮題)」は「ミズノチズ」の続編であり、また、瀬川さんのご研究に多くの刺激を受けたものでもあります。重ねて感謝いたします。