管啓次郎さんのブログMON PAYS NATALで三上勝生さんのブログを知った。

そこには驚くべき多層多様な世界が広がっている。ヌルデの実、野バラの実の味わい(できればブログを読む前に試してみては)、ソローと宮本常一のこと、チャトウィンの写真集のこと、などなど。そこからジョナス・メカスの世界にも繋がった。つい数日前、メカスさんが新しいサイトを開設し、それを三上さんに知らせてきたそうだ。「リトアニアへの旅の追憶」の映画作家の、87才のみずみずしい現在にここにいて会えるのだ。蓮實重彦のジョナス・メカスに関するテキスト「個人映画、その逸脱の非構造(シネマの記憶装置に収録)」がウェブ上で読めるということもはじめて教えてもらった。ソローと宮本常一に戻れば、流木に小石を置くだけでその流木(それは自然からの恵みだろう)の保証書となるという風習が18世紀のグリーンランド人に、そして戦後の昭和の佐渡の人(それは全国にわたってあると、宮本は記している)にもあった。宮本常一はそれを写真にも撮っている。しかし、それらはすでにおそらく失われてしまった。ここで87才のジョナス・メカスと会えることとのこの落差。

ここ迄書いた時、突如ファックスが送られてきた。コダックのカラー印画紙「スープラ」が販売中止になるそうだ。当然予想されたことでありまた、他に方法が無くもないが、おもわず写真をやめてしまうか、という考えが脳裏に浮かぶ。