9連敗中だった北海道日本ハムファイターズがついに勝利した。この一勝の喜びのために、9連敗はあったのだ。

 ダルビッシュ投手は、250奪三振をなしとげた。この記録は18年ぶりだという。あの栄光のメジャーリーガー野茂英雄が達成した、1993年の記録以来の快挙だ。思えば2004年、あの大阪近鉄バッフャローズが消滅した時、新庄剛志選手の「大阪から始まり、サンフランシスコへ、そしてこれからサッポロへ」という言葉に動かされ、バッファローズの替わりに(替わりになどと申しわけありません)ファイターズのファン(サポーターじゃなくファンです)になろうと決めて以来、9連敗中のファイターズほど、痛々しいチームを見たことはない。おそらく来期は、エースダルビッシュはメジャーへ、そしてバッファロー戦士のひとりであった梨田昌孝監督も退団する。

 今シーズンはじめに私は、稲葉選手が2000本安打を達成すれば今年はファイターズの優勝と予言した(この予言は、私の周りの人数人しかしらず、それもほぼ全員が忘れています。しかし、私のような身の程知らずのド素人でも、予言を許されるのが野球のいいところです)。2005年以来チームを牽引し、今シーズンも満身創痍で奮闘する稲葉選手もまもなく40才、若手の成長が顕著に見られるとはいえ、来シーズンは安穏とはしていられない。田中賢介選手の復帰や小谷野栄一選手の復調も予想されるとはいえ、ファイターズの将来は、どこかの球団(複数)のように金にまかせた補強などではなく、生え抜きの若手選手の成長にゆだねるのがファイターズらしい。ファイターズはいつまでもファイターズであってほしいのです。

 そこで、身の程知らずのド素人から提案があります。監督は白井一幸氏が本命らしいが、白井さんには、是非、他球団ではなく、ファイターズの監督を引き受けてほしい。そして、あの新庄剛志さんにお願いです。一年でいいからファイターズのGMをやっていただけませんか。あの新庄さんの前向きで明るく、しかも真摯な野球ファンへのサービス精神を、ファイターズの若手に植え付けてほしい。糸井選手や小谷野選手の肩をほぐしてやってほしいのです。

 とにかく、ここまで一気に低迷したチームに、クライマックスを勝ち抜き、日本シリーズへ、と願うのはなんだか、ひいきのひき倒しのような気がします。残りの試合をあくまでもファイターズらしく、そして将来を見据えた試合をしてほしい。といいつつも、その結果として、落合監督と梨田監督の最後の決戦を見たいというのは欲が過ぎますでしょうか。