8月の写真展以来の投稿になりました。

すでに1ヶ月も過ぎてしまいましたが、
9月末に「オホーツク/シモキタ」の撮影を開始(自分としてはついに、です)。
「オホーツク/シモキタ」はオホーツク沿岸地方と下北半島を同時に、交互に、交差しながら見ることを目論んでいます。

9月25日、ナッチャン・ワールドで津軽海峡を渡り、シモキタへ。海峡というものを船で渡る経験は、この津軽海峡が数度あるのみ。
船から見る下北半島はいつまで眺め続けても見飽きない。中に入って陸奥湾の雄大なことは、湾というイメージからの想像を凌駕する。安東水軍をはじめ、蝦夷地に渡る津軽、下北の武装船団、蝦夷(エミシ、エゾ)の、さらに遥か縄文人たちの丸木船の往来が
行き交った同じ空間を、大型フェリーからとはいえ眺めることの快感。

青森着後、すぐに青森県立美術館を訪ね、学芸員の高橋しげみさんに、小島一郎のプリント、ベタ、いわゆる小島トランプ、を見せていただく。来年の1月より、同美術館において、「小島一郎 北を撮る」というタイトルの展示が行われる。そのオープニングイベントのシンポジウム「小島一郎と北の写真」にお誘いをいただいた。同時に、8月にお会いした北島敬三さんと小原真史さんのトーク、同じく小原さんの映像作品「カメラになった男」の上映が行われる。くわしくは
http://www.aomori-museum.jp/ja/schedule/list/event/symposium
をご覧ください。

八戸にICANOFのキュレーター、モレキュラーシアターの演出家でもある豊島さんをお尋ねし、伊藤二子さんの展示を拝見。その圧倒的な造形作品を前に言葉にならず、ひたすら「音」との共振ということを感じておりました。
二晩に渡ってお付き合いいただいた、伊藤さん、豊島さん、高沢さんをはじめ、ICANOFのメンバーの皆様、随分遅くなりましたが、お礼申し上げます。また八戸にもお伺いしたいと思います。なにとぞよろしくお願いいたします。

三日目に訪れた恐山(実に30年ぶりの再訪です)では、土砂降りの雨の間に、まさにシモキタの空としか言いようのない青空、さらには霙までも含めた歓待(ですよね)を受けた。しかし薬研渓谷の清涼感には言葉もない。最終日に慌ただしく訪れた佐井村は、息をのむ美しさ。
なにものかのやって来る「入り口」、どこかへの「出口」、シモキタはそこかしこに「孔」が身を潜めている。

10月20日、北海道マガジン「カイ」が創刊。どうか書店で手に取ってご覧ください。
2月に取材を開始し、やっと形になりました、と思う間もなく次号の取材開始です。
この雑誌が継続できることを願ってやみません。