羅臼のギャラリーミグラードと北方民族博物館
昨年から再開した「地名」の撮影の途中で羅臼に立ち寄りましたが、タイミングよく、ギャラリーミグラードがオープンしました。
以下、「ギャラリーミグラード内覧会「関勝則作品展」のお知らせ」からの引用です。
「一般社団法人知床羅臼町観光協会では、本町通りと道の駅側の国道に面する元羅臼ユースホステルを改装し、羅臼の魅力を発信する新情報拠点としてギャラリーをオープンすることとなりました。
ギャラリー名となるミグラードは、エスペラント語(世界共通語)で「渡り」。(注1)これまで羅臼で撮影されてきた写真は、いまや世界中の人々の目に触れ、北海道の貴重な生態系を伝える優れた媒体となっています。この素晴らしい羅臼の自然や動物たちに魅了された写真家、そしてその想いに共感した方が、国内外を問わず、まるで渡り鳥のように羅臼へ何度も訪れています。
こういった動向を踏まえ、観光客向けの・天候に左右されない滞留場所の設置・本町、市街地の利用促進・長期滞在の促進・外国人旅行客への適切な情報提供を目的として、本ギャラリーを使用し、新しい観光振興のスタイルを発信していきます」
現在行なわれているのは、「羅臼の海の生き物たちを撮影し続ける羅臼町在住の水中カメラマン、関勝則氏の作品展」
以下、到着から夕暮れまでのわずかな時間に、羅臼在住のアーティスト中村絵美さんが案内してくれた羅臼の夕景です。斜里シリエトクノート中山芳子さんも同行
羅臼市街の真ん中を流れる羅臼川。後方は羅臼岳
観光船会社「ゴジラ岩観光」の小林社長が作ったペンション「ラウスクル」。多くの写真家の羅臼での宿泊所になっているそうです。小林社長は「観光協会の役員さんでもあり、ギャラリーの施工の強力な助っ人(中村絵美記)」。小林さんとは初対面でしたが、このあとの会食ですっかりごちそうになってしまいました。小林さん、ごちそうさまでした。実に美味しかったです。
ルサ川
ルサ川右岸、このあたりにアイヌのチャシ跡があるそうです。おそらく大量の鮭が遡上したものと思われます
ルサ川河口からすぐの場所に設けられた鮭の稚魚の放流場所
ついでに市街地で見かけた超レトロな「パチンコ 遊技場」を紹介します。
羅臼を訪れる度に感じることは、世界自然遺産に登録された手付かずの自然の場所としての「知床」ではなく、先住民の活動の場所であり、漁労従事者が、「自然」とともに生きて独自の漁労文化を形成した場所であり、開拓者が挑んできた場所でもあるという当たり前のことだ。生粋の漁師でもある小林さんと話していても、そのことを明瞭に感じます。
以前北海道マガジン「カイ」で、取材させてもらった知床国立公園区域内の羅臼町赤岩地区。詳しくは、「カイvol29」でご覧いただきたい。
赤岩地区への観光ツアーの試みは、人と「自然」との関係を模索するための重要な実験です。継続を切に願います。
翌日斜里、網走で「地名」の撮影を行い、札幌への帰途についたが、網走まで来て、やはりここを素通りしては帰れない。
北海道立北方民族博物館です。
学芸主幹笹倉いる美さん(笹倉さんには最近の図録や報告書などをいただきました。笹倉さん、昨夜の小林さん、ありがとうございます)としばしの会話(保苅ミノルに関する新情報を入手、詳細はあらためて)の後、展示室へ。ここの展示は何度見ても見飽きません。
サミの男性用衣装。かなり大柄な人だと思われる
ナーナイの花嫁衣装
北米北西インディアン トリンギ(ブランケット)とハイダ(帽子)
オホーツク文化人のみごとな造形作品
切りがないのでこれくらいで終わります。