藤戸竹喜先生が逝去された。

札幌の病院で、術後の闘病の最中に先生にお会いし、言葉を交わすことは叶わなかったが、まるで底なしの湖のような眼の輝きと、暖かく、分厚く、力強い手は、最後まで変わることはなかった。

 

葬儀の行われた正徳寺には、先生の作であるこの樹霊観音が安置されている。

 

以下、先生の作品をいくつかご覧ください。

 

 

 

 

 

 

先生の諸作品は、「アート」といわれるもののあり方を、根底から考え直させる力を秘めていると思っている。

 

昨年の夏、阿寒でのこれら作品の撮影中に、先生がポツリともらした言葉がある。

「あんた、四六時中写真のこと考えてんだろう。俺もそうだ」

ハーレーをぶっ飛ばしている時も木彫りのことを考えている、とおっしゃっていた。

もちろん私ごときが、先生に及びもつかないことは明白で、あまりにも身に余る言葉だが、生涯で一番の誉め言葉をいただいたと感じている。

 

そちらの世界で、ビッキさんたちとゆっくり語らってください。